ハーベスト・メールマガジン htblog.exblog.jp

• パレスチナ評議会選挙の結果
  [ 2006-01 -27 19:48 ]
• カルト教祖をのさばらせるな
  [ 2006-01 -20 19:50 ]
• より高く飛躍するために
  [ 2006-01 -13 18:43 ]

【ハーベストメールマガジン】2006/01/27(金)

　お元気ですか。中川健一です。

　本当に寒いですね。今週末は暖かくなるとの予報。ぜひそうなって欲しいです。

　前回のメールマガジンで、次世紀ファーム研究所事件のことを取り上げました。これは、昨年の７月１８日に岐阜県恵那市にある宗教団体「真光元神社(まこもじんじゃ)」の施設内(自然食品農場「次世紀ファーム研究所」)で、神奈川県葉山から来ていた中学１年のＭ子ちゃんが糖尿病性昏睡で亡くなったという事件です。ご両親が、教祖の堀洋八郎の提訴に踏み切ったというご報告をしました。

　何人かの方々から「祈っています」というメールをいただきました。感謝します。山口弁護士が、「真光元被害者の会」のホームページを立てあげました。訴状もそこで見ることができます。興味のある方は、ぜひご覧ください。

『真光元被害者の会』公式サイト


■　最近考えたこと「パレスチナ評議会選挙の結果」

　なんとも驚くべき結果となりました。１月２５日に実施されたパレスチナ評議会選挙(１３２議席)で、ハマスが単独過半数を取ったというのです。詳細は以下のようになっています。

　＊　イスラム原理主義組織ハマス７６議席
　＊　アッバス自治政府議長の支持母体であるＰＬＯ主流派ファタハ４３議席

さらに詳細な内容を見てみると、
　＊　ヘブロンとガザではハマスが全議席獲得
　＊　エルサレムでは６議席中の４議席獲得
　＊　ラマラでは５議席中４議席獲得

となっています。ハマスの躍進は予想されたことですが、過半数の議席を獲得するような事態は誰も予想しなかったことです。

　今後の中東情勢はどうなるのでしょうか。

　ハマスが今後自治政府を掌握するのは間違いのないところでしょう。しかし、イスラエルも米国も、イスラエルの破壊を設立憲章でうたっているハマスを和平交渉の相手と認めることはできません。ＥＵもまた、テロリスト集団ハマスの武装解除に動かざるを得なくなるでしょう。

　事態は流動的で、今後どうなるかは誰にも予測できません。そのことを前提に、考えられるシナリオを列挙してみました。


１．ハマスが穏健な政策を採用するようになり、イスラエルとの交渉を再開する。

　個人的には、このシナリオの可能性が最も高いと思います。国際社会からパレスチナ側に流れていた援助金の受け口は、ＰＬＯ主流派ファタハでした。もしハマスが武装闘争路線を放棄しないなら、その援助金が大幅にカットされる恐れがあります。政権与党の立場と野党の立場とは大いに異なります。国際社会の後ろ盾を得るためにも、ハマスは現実路線に転換せざるを得ないではないでしょうか。さらに、今回ハマスに投票した人の中には、腐敗し、官僚化したファタハ体制への批判票がかなりあると考えられます。その人たちは、必ずしもハマスの強硬路線を支持したのではなく、現状の変化を願っただけだと考えられます。


２．もしハマスが路線変更をしない場合、パレスチナ人の内戦、あるいは分裂が考えられる。

　ガザやヘブロンのような生活環境が劣っている地区に住むパレスチナ人と、エリコやベツレヘムのようなヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人との間には、かなりの温度差があります。ハマスが強硬路線を取れば取るほど、その政策に違和感を覚えて、自らの道を歩もうとするパレスチナ人たちが出てくることは想像に難くありません。地理的にも両者は離れていますので、２国家への道を歩み始めることは非現実的な選択肢ではありません。


３．２国家への道を歩み始める前に、ハマス内部で分裂が起こる可能性がある。

　強硬派と穏健派が主導権争いで対立し、ハマスが一枚岩でなくなる可能性が十分あります。その場合、パレスチナ自治政府は少数政党の乱立状態となり、収拾がつかなくなります。


　以上の可能性を考えると、現状は憂慮すべき状態であるが、悲観し過ぎてもいけないという結論になります。１９４８年の独立戦争以来、イスラエルは何度も危険な状態をくぐり抜けてきました。まさに、「見よ。イスラエルを守る方は、まどろむこともなく、眠ることもない」（詩篇121：４）という約束通りです。

　イスラエルを守る方は、キリストによって神の子とされた私たちをも守ってくださいます。


■　お祈りください。

（１） 『イスラエル・トゥデイ』誌２月号が完成しました。シャロン首相が病に倒れたことと、今後の政局の見通しを、特集記事として取り上げています。ぜひご購読ください。

（２）２月１３日(月)の東京月例会では、『がん哲学』の著者である樋野興夫先生をゲストに迎え、私との対談を企画しています。ぜひお越しください。

　今週も祝福された週でありますように。

　感謝。中川健一

【ハーベストメールマガジン】2006/01/20(金)

　お元気ですか。中川健一です。

　１６日(月)、１７日(火)と、今年最初の月例会がありました。両会場とも満席で、大いに盛り上がりました。今年も月例会が祝福されるという確信が与えられた集会となりました。出席くださった皆さん、心から感謝します。メッセージの内容は、「今の時代をいかに生き抜くか」というものでした。年末年始の聖地旅行から帰国してから、日本の現状にいまさらながらに憂うつな思いを抱いていました。そのような中から生まれたメッセージです。ぜひ多くの皆様にお聴きいただきたいと思います。


■　最近考えたこと「カルト教祖をのさばらせるな」

　ご覧になった方も多いと思うが、１月１８日(水)夕から夜にかけてのテレビ放送で、中学１年の娘さんを亡くしたご両親(Ｈさん)がある宗教団体の教祖を相手に民事訴訟を起こしたというニュースが流された。この事件には、クリスチャンにとっては見逃すことのできない要因が含まれているので、以下、ここに至る経緯を簡単に記してみる。


　事件が起きたのは、昨年の７月１８日であった。岐阜県恵那市にある宗教団体「真光元神社(まこもじんじゃ)」の施設内(自然食品農場「次世紀ファーム研究所」)で、神奈川県葉山から来ていた中学１年のＭ子ちゃんが、糖尿病性昏睡で亡くなった。

　Ｍ子ちゃんのお母さんは、教祖である堀洋八郎の教えと、彼が開発したという「真光元（しんこうげん）」の効果を信じて、わらをも掴むような思いで娘さんをその施設に送り出していたのである。Ｍ子ちゃんは小児糖尿病１型で、インスリンを必ず打たねばならない状態にあったが、この時は、真光元の威力を信じて、インスリンを持たないで行くという決断をし、お母さんもそれに同意した。施設に着いてその旨を伝えると、堀は、「よく分かりました。もう大丈夫です！糖尿病なんて、夜明け前だ！朝飯前より簡単ということだ！」と応じたという。

　お母さんは、１泊した後、真光元神社関係の仕事で葉山に戻った。Ｍ子ちゃんが亡くなったのは、その２日後であった。


　（１）昨年１０月末に、ハーベスト・タイムの初代アシスタントであった井上恵子姉から連絡が入り、この事件のことで相談を受けた。Ｈさん夫妻は井上夫妻の古くからの友人であるという。早速、お母さんと会うことにした。

　（２）会ってみると、本当にお気の毒な状態であった。愛娘を失った悲しみ、自分が騙されていたことに気づいた痛み、今後どうしていいか分からないという絶望感、この三つの苦しみがお母さんを責めているのが手に取るように分かった。その後、お父さんとも会い、事件の本質は何かを話し合い、今後の対応を協議した。この事件の本質は、宗教がらみのマインドコントロールを用いて効能の疑わしい「真光元」なる健康補助食品を販売し、結果的にＭ子ちゃんを死に至らしめたという点にある。

　（３）私の知り合いの情報を得て、霊感商法などで活躍しているＹ弁護士をＨさん夫妻に紹介した。Ｈさんたちは、訴訟を起こすべきかどうか、迷っていた。費用の面、労力の面で、自分たちにそれが可能かどうか悩んでいたのだ。しかし、Ｙ弁護士との話し合いによって、２度と同じような犠牲者が出ないためにも民事訴訟を起こすことを決意された。実に勇気ある決断だったと思う。

　(４)それからおよそ２ヵ月後、Ｍ子ちゃんが亡くなったちょうど半年目に、Ｈさん夫妻は記者会見を開いて提訴したことを発表した。１月１８日(水)は、ライブドアと構造計算偽装問題関連のニュースがマスコミを大いに賑わせた日であったが、それにもかかわらず、キー局数局でこのニュースが流された。テレビ朝日の報道ステーションでは、１０数分にわたって特集が組まれた。

　ぜひ、Ｈさん夫妻のためにお祈りください。この事件は、詐欺罪や業務上過失致死罪よりもさらに悪質なもののように思える。キーワードはマインドコントロールである。お母さんはその被害者である。今でも堀洋八郎が得意顔で「真光元」のＰＲをしているとは、実に不可解なことである。今この事件をしっかりと裁かないと、似たようなカルト集団が起こす同様の事件が今後多発することが考えられる。


　今のところ岐阜県警は書類送検だけで済まそうとしているようである。ことの重大性が見えていないのであろうか。罪状の軽微は別として、このカルト教団の暗部を光の下に出すためにも、しっかりと法廷で裁いて欲しいものである。そうすることが、一般市民への対カルト啓蒙教育になるからだ。



■　お祈りください。

（１） 『イスラエル・トゥデイ』誌２月号の編集を終えました。今月号では、シャロン首相が病に倒れたことと、今後の政局の見通しを、特集記事として取り上げました。入荷はおよそ１週間後です。ぜひご購読ください。


（２）ハーベスト・タイムの番組は、今週は『がん哲学』の著者、樋野興夫先生のインタビュー第２回目です。前回は大好評でした。


　今週も祝福された週でありますように。

　感謝。中川健一

【ハーベストメールマガジン】2006/01/13(金)

　お元気ですか。中川健一です。
　今年初めてのメールマガジンです。今年もよろしくお願いします。
　多くの皆様から、年賀状をちょうだいしました。ありがとうございました。

　あっという間に、１月も中旬です。１月５日(木)に年末年始の聖地旅行から帰りましたが、余りの寒さに仰天しました。ハーベスト・センター付近でも珍しく雪が積もり、数日間は家に閉じこもったきりでした。オフィス全体が本格的に動き始めたのは、１０日(火)になってからでした。そして昨日は、番組収録がありました。

　豪雪地帯からの雪害が報じられていますが、皆様のところはいかがですか。ご自愛ください。



■　最近考えたこと「より高く飛躍するために」

　２００６年元旦を、ガリラヤ湖の船の上で迎えました。年末年始、日本の喧騒を離れて聖地を巡ることができたのは、何よりも幸いなことでした。それだけに、帰国してからなんとなく憂うつな気分になっています。憂うつ感とは、この国の将来像が見えてこないことからくる重苦しさのことです。

　昨年９月１１日の総選挙は、単に郵政民営化を問う選挙ではなかったことが明らかになってきました。あの選挙の結果、私たちは与党にこの国の将来像作りを全面的に委ねることになったのです。このことを私たちはしっかりと認識しておく必要があります。今年は、憲法改正議論が本格化することでしょう。今の与党の勢力からすると、どんな法案でも自分たちの思いのままに成立させることができます。そして今、この国の将来像に関する議論がないままで、九条改正や天皇制に関する議論が先行しています。この国はどこへ行こうとしているのでしょうか。


　日本人が民族国家を意識し始めたのは、西欧の帝国主義国家が日本の開国を要求して扉を叩き始めた幕末期のことです。明治維新によって日本は西欧諸国の植民地となることなく、民族国家を形作ることに成功しました。当時の日本人の国家目標は、「西欧諸国に追いつき追い越せ」でした。この状態が太平洋戦争の敗戦まで続きました。

　戦後の日本人は、「良き敗者」となることを心がけ、アメリカに追いつくことを目標に走ってきました。そして今、その目標がほぼ達成される状態になりました。それは喜ばしいことなのですが、同時に、「目標が見えなくなった」という新たな問題も生起してきました。

　目標が見えなくなると、人は過去に救いを求めるようになります。今日本で、歴史の見直しが始まっているのはそのためでしょう。歴史を見直す理由は、「実は自分たちはそう悪くはなかったのだ」という自己正当化の動機が働いているからです。中国や韓国でも歴史の見直しが始まっていますが、その動機は、未解決になっている過去の問題を直視し、そこから国作りを始めようということです。当然、旧日本政府に対する糾弾の声が高くなります。

　日本人が目指す「歴史の見直し」と、アジアの隣人たちが目指す「歴史の見直し」とは正反対の方向に動いています。経済や人的交流がグローバル化しつつある時代にあって、政治面でのこのような閉鎖性は、日本にとっては極めて不幸なことです。


　日本人が方向性を見失っていることの悪影響は、さまざまなところに出始めています。かつての日本人が大切にしていた「矜持（きょうじ）」（誇り、自負心、プライド）という概念は、今や死語になりつつあります。また、人生の評価を、「勝ち組」「負け組」という極めて表層的で単純化された基準でしか行なえなくなっています。悲しいことです。

　さて、2006年をどのように生きるべきでしょうか。私はこう考えています。

（1）広く社会に影響を与えるために、意識して「狭い交わり」の中に自分の居場所を見つけること。その「狭い交わり」は、愛や正義といった聖書的価値観を評価する人々の交わりでなければなりません。その狭さを追求していけば、最後はイエス・キリストとの個人的な交わりという「究極的狭さ」に至ります。つまり、誰一人賛成する人がいなくても、私はキリストに聴き、キリストに従うという決意です。その狭さこそ、普遍的広さにつながることです。

（2）高く飛躍するために、学びと思索とを深くすること。テレビやインターネットのようなメディアは日進月歩で発展します。しかし、メディアを有効活用しさえすれば何かができると考えているなら、それは大きな誤解です。私にとっては、 『日本人に贈る聖書ものがたり』 の第４巻を完成させることが今年の目標ですが、その先に待っている「沈思の時間」が今から楽しみです。高く飛ぶために、より深く潜行することを心がけたいと思います。

「狭い門からはいりなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広いからです。そして、そこからはいって行く者が多いのです」（マタイ７：１３）。



■　お祈りください。

（１）来週は、月例会 です。１６日(月)が東京、１７日(火)が大阪です。今年最初の月例会です。ぜひご参加ください。

（２） 『日本人に贈る聖書ものがたり』 の第４巻の執筆が進みますように。すでに発行されている第１巻から第３巻が、伝道に用いられますように。

　感謝。中川健一