【ハーベストメールマガジン】 2002/11/08(金)
昨夜、沖縄の取材から帰宅しました。沖縄は気候がよくて、しのぎやすかったです。沖縄の皆さんは、それでも寒いとおっしゃっていました。私からすれば、天国のような気候でした。東京の寒さに帰ってくるのが恐ろしいくらいでした。
私が宿泊したのは、ラグナビーチ・ホテルでした。最上階のレストランで昼食をいただきました。窓からは、青々と広がる沖縄の海が一望できました。目の前に野球グランドがあり、そこで横浜ベイスターズが秋季キャンプを張っていました。今シーズンが終わったばかりなのに、一生懸命練習している選手たち。プロの厳しさ、すごさを垣間見ることができ、心地よい緊張感を覚えました。
■最近考えたこと 「チャーチ・スクールは日本の教育に革命をもたらすか?」
今回の取材は、沖縄世界宣教教会が開設している「ワールド・ミッション・クリスチャン・スクール」を取材するためでした。二日間にわたってじっくり取材させていただきました。その様子をご紹介する前に、なぜこの働きを取り上げたかを説明します。
今の私の思いを先日のクリスチャン新聞論説欄に書きましたので、先ずそれをご紹介します。
「日本宣教の新しい可能性 ―預言者的奉仕から祭司的奉仕へ―」(11月10日号)
旧約聖書の中には、三つの信仰の系譜が流れている。祭司的信仰、預言者的信仰、そして、知恵者的信仰である。各々の信仰には、各々の奉仕の形が伴っていた。祭司は神殿での祭儀を通して神と民との間に立って、両者に仕えた。預言者は神から啓示されたことばを、不信仰に陥った民、国家的危機に直面した民に語った。さらに、知恵者は「知恵文学」と呼ばれるものを通して、幸せな人生について論じた。
現代への適用
以上の三つの系譜を現代に適用すると、おおよそ次のようになるだろう。
(1)祭司的信仰と奉仕とは、神の前に執りなしの祈りを捧げつつ、人々の必要に奉仕することである。
(2)預言者的信仰と奉仕とは、福音のメッセージを宣言し、人々に悔い改めと主イエスに対する信仰とを迫ることである。(3)知恵者的信仰と奉仕とは、文化的、芸術的活動を通して、聖書的価値観や世界観を表現することである。
聖書的クリスチャン生活が確立されるためには、以上の三つの柱がバランスよく立て上げられる必要がある。自らを省みると、福音派と呼ばれるクリスチャンたちの信仰の強調点は、もっぱら「預言者的信仰と奉仕」にあったような気がする。みことばの宣言と説き明かしは、私たちが最も関心を抱き、得意とするところであった。しかし、その点を強調する余り、他の二つの柱を軽視する傾向があったことも否むことのできない事実である。
興味深い事例
筆者は、今年の夏から秋にかけて、日本宣教の新しい可能性を示唆する二つの事例に出会い、考えさせられた。一つは、沖縄世界宣教教会を訪問してお見せいただいた「チャーチ・スクール」である。「チャーチ・スクール」とは、教会が教育問題に積極的に取り組もうとする試みであるが、すでに日本中で百余りの教会がこの試みに着手しているという。
もう一つは、札幌郊外にある「恵泉塾」の働きである。人生に疲れた人を本来の姿に回復させることを目的に、この働きが進められている。主宰者の水谷惠信氏をハーベスト・タイムにお招きしたところ、番組をご覧になった視聴者から大きな反響があり、水谷氏の著書の購入を希望するという方々からの連絡が、350を超えた。
この二つの事例に共通しているのは、(1)現代人の悩み、必要に答えようとする祭司的奉仕であること、(2)ことばによる宣教が前面に出ているわけではないのに、結果として魂の救いにつながっているということ、の二点である。
時代は、私たちに聖書信仰のあり方の再吟味を迫っているのではないだろうか。祭司的信仰、預言者的信仰、知恵者的信仰のバランスを考えながら、長所は伸ばし、短所は克服する道を模索する時が来ている。その道は、霊的大収穫へと私たちを導く道であるに違いない。
さて、取材した感想です。
びっくりと、感動の連続でした。
(1) 生徒数120名、教師数28名(フルタイム14名、その他14名)
(2) 毎朝、チャペルタイムがあり、小学生から高校生まで全員参加です。
(3) 一時間目の授業は、聖書です。信仰の段階に応じて、献身者クラス、クリスチャンクラス、求道者クラスに分かれています。
(4) バイリンガル教育です。国際人を育成するために、英語が強調されています。さらに、中国語、韓国語の授業もあります。びっくりしました。
実際に何人かの子供たちにインタビューしました。こういう答えが返ってきました。
「この学校のどこが気に入っているの?」
「学年の壁がないことが楽しい。」(確かに、高校生や中学生が、小さなこどもたちの面倒を見ている姿を見かけました。また、男女が実に仲がいい。)
「いじわるな人がいないのがいい。」(公立校でいじめに会っていた子たちが、のびのびと学校生活を送っています。主の不思議な臨在を感じました。)
「先生たちが、いいことと悪いこととをはっきり教えてくれるのがいい。」(朝の礼拝から始まって、すべての授業が聖書に基づく一貫したものとなっています。生徒たちに価値観の混乱が起こらないのが素晴らしい。特に、人格教育、純潔教育に力が注がれています。)
どの顔も、明るく、自然な表情をしていました。
特に、先生方の献身的な姿勢に感動しました。公立校を退職して、ここに移ってきた方が数名おられます。その方々の話を聞きながら、教育は設備ではないと強く感じました。
ここで育った子供たちが、10年後、20年後、社会にどのような影響を与えるか、実に楽しみです。あるいは、「チャーチ・スクール運動」が、日本の社会を大きく変える突破口になるかもしれません。それほどの可能性を秘めた運動です。
今回取材した番組は、2003年1月の第一週、第二週の放映をなります。お見逃しなく。
■ 祈りのリクエスト
先週に続いて、次の祈りをお願いします。
* 11月15日(金)国家朝餐祈祷会。私がメッセージの担当になっています。素晴らしい祈祷会となりますように。問い合わせ 03-3864-4005、Eメールでは堀切幸治、 yukiharuhorikiri@nifty.comまで。
* 11月30日(土)中野サンプラザでゴスペルクワイヤコンテストのグランプリ大会が開かれます。この大会が、伝道のために用いられますようにお祈りください。現在チケット販売中です。申し込みは、042-944-1152。インターネットでも申し込み可能。
http://www.gospeljapan.com/choirfestival/
これからの1週間も、素晴らしい週でありますように。
感謝。
中川健一